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片頭痛への取り組み
片頭痛と診断されている人で誤解しやすい状況
片頭痛の原因のひとつとして、何かの刺激で、血小板などからセロトニンが多量に放出され、強力な血管収縮が起こり、血管が縮んで脳の血管の血流が悪くなります。このとき、片頭痛の前兆を考えられる現象が起こります。次いで、セロトニンはすぐに分解されるので、セロトニンが少ない状態となっては血管は反動で急激に拡張し、血管の拍動が血管壁から痛みの神経を介してはげしい頭痛を感じるのです。
即ち、片頭痛が起こるときには前兆があるのです。血管が広がっていること=片頭痛になりやすい、と考えている患者さんが非常に多くいます。血管が広がっていること自体は決して悪いことではありません。
片頭痛の前兆
- 目の前で光がチカチカする
- 視界が欠ける
- 光が目に刺さる
片頭痛の予兆
- だるい
- 気分が悪い
- イライラする
- 食欲が出る
- 首が重苦しくなる(これが消えると片頭痛になる)
首及びその周辺に感じる前兆・予兆
- 首の重さ
- 起床時に首に違和感・血液が流れていない感じ
- 首周辺が重く、疲れやすい
- 首周辺が重く、あくびが出る
- 首周辺の重さに違和感
- 首の後ろに違和感
- 頭の前が圧迫
- 頭の周りに輪がある感じ
- 首筋のこり
- 首から上がふわふわする感じ
目の周囲に感じる前兆・予兆
- 目の周りが痛くなる
- 光が目に刺さる
- 目のあたりが痺れる
- 目がチカチカ
- ぼわーっと目がまわる感じ
- 目がじりじりする感じ
- 肩・目の奥の張り
- 目の奥の痛み
- 視界が欠ける
- 目の前で光がチカチカする
その他の前兆・予兆
- 唇の下部がしびれはじめる
- 低気圧でどんよりした感じ
前兆・予兆を感じていないケース
- 朝起きた時にすでに片頭痛になっている。
日々の生活での工夫
さて、日々の生活の中では、
どのような工夫ができるのでしょうか?
まずは食生活です。
1.ビタミンB2が強い味方
- 納豆・レバー・うなぎ・牛乳・ヨーグルトに多く含まれています。アボガド、マグロ、かつおもよさそうです。
- 片頭痛の予防のためには通常の3倍から4倍のビタミンB2を多くとることが良いとされています。
- 約1か月で片頭痛の発作頻度が半減し、日数や発作時間、吐き気等も減るとの報告があります。
ちなみに、ユウキ調剤薬局のスタッフも数名、片頭痛患者がいます。ビタミンBはほとんど副作用のないがないので、ビタミンB2を一日160mgも1か月間服用したところ、頻繁な発作は減少し、発作が起こらないスタッフもいました。
もちろん、個人の感想体験でありますが、試してみる価値はあるようです。ちなみに、おしっこがものすごいにおいになり、離婚の危機が訪れそうになったスタッフもいました。
覚悟も必要なようです??????
2.マグネシウムを多く摂りましょう!
マグネシウムは豆類や海藻、種実類や魚介類などに多く含まれます。
- 木綿豆腐、ひじき、黒豆、納豆、アーモンド、カシューナッツ、大豆、落花生、いんげん、あずき、枝豆、味噌、かつお、あおのり、わかめ、バナナ、玄米、かき、ホウレン草、するめ、なまこ、マグネシウム含有量の多いミネラルウォータ、緑黄色野菜
- マグネシウムも通常の所要量よりも多く摂る必要があります。マグネシウムは摂りすぎても尿として体外に排出されますが、腎臓に不安のある人は主治医に相談して所要量以上摂取するようにしましょう。
片頭痛にあまり良くない食材は何でしょう?
- グルタミン酸が頭痛の原因となります。中華料理などに多く使われる旨味の成分の調味料ですが、とても残念なことに頭痛の原因となるようです。
カップ麺・スナック菓子・化学調味料・硝酸ナトリウム - アンチョビ・アボガド・シャンパン・チョコレート
- ポリフェノールも片頭痛を誘発すると言われています。
赤ワイン(豊富なポリフェノールを含んでいます)、チョコレート(カカオ)、そば、ブル ーベリー - チラミン
血管を収縮させる作用のある物質ですが、不足すると反動で血管が拡張し頭痛を誘発することが知られています。
チーズ(熟成期間が長いもの・ゴルゴンゾーラやブルーチーズ)
ピクルス・加工肉・柑橘類
片頭痛の予防に
効果のあるとされるもの
コーヒー
カフェインには血管を収縮させる作用と鎮痛作用があります。
血管が拡張して神経を刺激している状態から血管をもとの状態にもどし、片頭痛を緩和すると考えられています。また、鎮痛作用により痛みを緩和してくれると考えられています。片頭痛の前兆があったときや、片頭痛が“来るな”っと思ったときに飲むことをお勧めします。
しかしながら、約10%程度の人には、逆に頭痛を引き起こす作用をするという報告もあります。自分にあった飲み方をお願いします。
フィーバーフュー 片頭痛予防の王道ハーブ
フィーバーフューの和名は、夏白菊というキク科の植物です。ハーブティーとしては、葉・茎・花とほぼすべての部位を使用します。
その歴史は古く、16世紀のヨーロッパでは頭痛・胃の不調・歯痛・神経痛の治療薬として普及していました。1978年、イギリスの新聞で一人の女性がフィーバーフューの葉を使って片頭痛を治したという衝撃的な記事が載りました。この記事が専門家の目に留まり本格的な研究が始まったと言われています。そして1985年には、英国の医学雑誌ランセット(世界的に権威のある雑誌です)にフィーバーフューが片頭痛に効果のあるハーブとして発表され、大きな注目を集めました。今日では抗炎症作用も認められ、古くから月経痛や関節炎・熱発などに用いられれていたことの根拠を証明しています。
フィーバーフューが片頭痛を改善するメカニズムは完全には解明されていませんが、その葉には40以上の化合物が含まれ、中でも、パルテノライドが有効成分と考えられています。
片頭痛を引き起こす主な原因である脳の血管の収縮を抑制することが判明しています。ただし、長期間服用した人が急に服用をやめた場合、10%程度の人に反動で片頭痛が頻発するケースも報告されています。
パルテノライドとは?
- 片頭痛の原因になる血小板の過剰な凝結とセロトニンの放出を抑え血行を良くする働きがあります。血管の収縮を抑えることで、ズキンズキンくる激しい痛みを和らげるのです。
- パルテノライドはロイコトリエンやトロンボキサシンなどの生理活性物質のバランスを調整することにより、片頭痛の激しい痛みや発作に伴う吐き気・悪心・光過敏症などを鎮めることが分かっています。
現在のハーブ療法でフィーバーフューは片頭痛とそれに伴う悪心や吐き気に対処する定番ハーブとして薦められています。また片頭痛に効果があるとされる、ビタミンB2、マグネシウムと併用する場合も多いです。
ただし、妊娠・授乳期の飲用は推薦されません。また2歳以下の小児には使用しないでください。
アロマ
1日2時間程度の芳香浴が効果的と考えられています。
効果の期待できるアロマは、ローマンカモミール・ラベンダー・青りんごが考えられています。できれば天然100%のものを使用しましょう。
ローマンカモミールはりんごに似た爽やかな優しい香りです。
ラベンダーは、リラックス効果のある定番ハーブです。
青りんごは、米頭痛学会で香りが片頭痛を緩和すると報告のあるものです。残念ながら天然100%を入手するのが困難なものです。
ユウキ調剤薬局おすすめ商品
片頭痛の方々のために真剣に・まじめに、すべて有機栽培された材料でオリジナルブレンドで作りました。
おすすめの飲み方は、熱湯150mlを注ぎ、10分間浸出し、1日3回飲みます。専門書によると1回5gとありますが、非常に強い苦みがあります。お好みの濃さでお楽しみください。
フィーバーフュー以外に含まれるハーブ
ラズベリーリーフ
“安産のハーブティー”として知られ、生理痛・月経前症候群の緩和に効果があるとされています。のどの痛みや口内炎の不快感の緩和、うがい用に用いられることもあるそうです。ちなみに、ラズベリーの実に含まれるラズベリーケトンはダイエットでも大注目されています。
ローズヒップ
フラボノイド・リコピン・ペクチン・カルシウム・果実酸・βカロテン・ビタミンEを多く含み、シミ予防・肌の弾力を保ち美肌効果があるとされるハーブです。貧血の予防・目の疲れの緩和・かぜの予防もサポートします。
ハイビスカス
クエン酸・リンゴ酸・ハイビスカス酸・ビタミンC・カリウムを多く含みます。美容や疲労回復・眼精疲労の回復も助けます。
チェストベリー
生理の5~10日前ぐらいに、身体と精神や情緒の症状として現れる月経前症候群(PMS)に効果があるとされています。また、ホットフラッシュなどの更年期障害の緩和にも効果があるとされています。ドイツでは、月経前症候群・生理不順・胸の痛み(乳房痛)の治療に薦められています。BMJ(British Medical Journal)でも3か月間の臨床実験の報告がなされ52%にPMS症状の緩和がみられたとあります。